タイトルは好きなミュージカルの歌詞から抜粋しました。
(正確には「”勝利が刻まれた”運命を」、ですが)
はじめてのスーパードルフィー
今回は私がはじめて出会ったスーパードルフィーの話をします。
2013年10月、はじめて足を運んだ原宿の天使の窓で、私ははじめてのスーパードルフィーを目にしました。
この時、偶然投票期間中のワンオフモデルも飾られていたのですが、この頃の私はドール趣味を始めたばかりで右も左もわからない状態でしたので、その意味もよくわからず、ただただ今まで見たこともないような素敵なお人形の数々に圧倒されたのをよく覚えています。
綺麗に着飾ったスーパードルフィーたち。
世界に一つだけのメイクを施された特別なワンオフモデルたち。
その中に、その後の私の運命を変えるドールがいるとは思ってもみませんでした。
私の運命、私の一番星
そのドールは、入り口から入って向かって右側の奥の場所に飾られていました。
女の子のドールをエスコートするように、手を取り立っていた男の子のドール。
黒いハットを被ってケープをまとった、貴族の子息のような少年。
「近衛司」が、その子の名前でした。
その子をはじめて見た瞬間のことは今でも忘れません。
雷に打たれたような衝撃が私の脳裏を駆け巡り、ドールの前に自然と足を進めました。
まじまじと顔を見て、「なんて素敵なんだろう」「こんなに胸を打つようなドールがこの世にいるなんて」と思いました。
せっかくの機会なのだから他のワンオフモデルも見ればよかったのに、私は近衛司以外には見向きもせず、天使の窓のカウンターで会員登録を済ませ、ぴかぴかの会員証を手にはじめてのワンオフ投票をしました。
天使の窓のワンオフモデルは抽選制です。
もし外れたら、という不安が少しも無かったといえば嘘になります。
けれどもこの時の私の頭の中にはそんな未来のどうしようもないことにいつまでも注力する思考的な余裕はなく、ただ近衛司と出会った今の喜びと興奮ばかりがありました。
後にも先にも、こんな思いを抱いたのはこの時だけです。
帰路につく間も近衛司のことをずっと考え続けました。
当時天使のすみか便りに掲載されていた小さな写真に写るぼやけた姿をスマホに保存し、「可愛いな、素敵だな」と眺め続けました。
そして数週間後、ついに運命の時がやってきました。
天使の窓から届くワンオフモデル当選通知、通称「白封筒」が我が家に届いたのです。
白封筒を手にした瞬間、顔がにやけるのを感じました。
あまりにも出来すぎている展開に、「嘘みたい」と呟きました。
でも、どんなに疑ってみても白封筒は本当で、当選したことも本当で。
そういう訳で、我が家にSD13 近衛司を迎えることになりました。
星比古という名前
実をいうと、考え始めてから名前はすぐに決まりました。
「星比古」
ほしひこ、と読みます。
当時私は激務で夜遅くに帰宅することが当たり前だったのですが、夜道でよく輝く星々を見上げてはささくれだった心を癒していました。
あの優しく私を慰めてくれた星のような存在を、この子に託したい。
そう思って、まず「星」という字を使おうと決めました。
そしてその後ろに、美しい男性を意味する「比古」という言葉を続けることにしました。
意味も語呂も良かったのと、名前を口に出してみたときにとてもしっくりきたので。
設定
なぜか当時の私は、星比古に設定をつけてあげなければ、という使命感に燃えていました。
よく他のドールオーナー様のSNSやブログで、「〇〇と××は兄弟(姉妹)」や「〇〇は貴族で偉そうだけど仲間には優しい云々」といった「ドールの生まれ育った背景や性格」というものを見ていたからかもしれません。
ただ、設定も名前同様、そこまで悩みませんでした。
星比古という名前にしたときから何となく、「この子は宇宙人だな」と考えていたのです。
彼は宇宙人で、生まれ故郷の惑星では裕福な暮らしをしており、地球には故郷には無い珍しいものを採取するために調査目的で訪れている、と。
今考えるとなぜそんな珍妙な設定を思いついたのかよくわかりませんが、一応今でもその設定は残っていて、私は未だに星比古のことを宇宙人だと思っています。
ちなみに、もう今は写真が残っていないのですが、お迎えした当時は銀色のウィッグばかりを被せていました。
これは、スタジオジブリの「ハウルの動く城」のラストでヒロイン・ソフィーの髪が星の輝きで銀色に染まったことに由来します。
時は流れて、女の子
2022年現在、SD13としてこの世に生まれた星比古は、紆余曲折あってSDGr女の子となっています。
理由は色々あるのですが、簡単に言うと「SDGr女の子ボディと、お洋服が好きだから」です。
メイクはk.mayura様が手掛けたものなのですが、この太い眉毛が本当に可愛くて大好きです。
そしてこのまっすぐな瞳、造形の素晴らしさ。
私は8年前も今も、ずっと射抜かれ続けています。
私の運命がこの子で良かった。
今後も姿を変えることはあるかもしれませんが、この思いだけはずっと変わらない。
そう断言できるドールです。
星比古と出会ったから今の趣味があり、友人があり、たくさんの思い出があり。
私に寄り添い続けてくれたドールに、心からの感謝と喝采を。